リリースカタログが軒並みレア化しているカンザス出身のDJ/プロデューサーHuerco S.の6年ぶりとなるニューアルバム。ブレイクした前作『For Those Of You Who Have Never (And Also Those Who Have)』はPitchforkをして「史上最高のアンビエント・アルバム」と言わしめた程の名作だが、Huerco S.はそんな数多の賛辞に目もくれていない事が本作で明らかである。前作風とは根本的に異なり、パーカッション、金属的なテクスチャーを軽快なタッチ（その実非常に複雑なレイヤーが施されているものの）構築する様はもはやIDMと呼んで差支え無いだろう。が、これが不思議で決して耳障りなどでは無く、だが各曲のインパクトは絶大なのである。未踏の深海に放り込まれたような浮遊感と心地よさはHuerco S.特有の作家性であろうが、パンデミックによる隔離で図らずもアンビエントへの注目が高まった最中、彼は黙々とアンビエント・ミュージックの未来と可能性を拡張しつづけていた結果がここにある。えげつない職人気質に脱帽の10トラック。
Tracklist:
A1. Plonk I
A2. Plonk II
A3. Plonk III
B1. Plonk IV
B2. Plonk V
B3. Plonk VI
C1. Plonk VII
C2. Plonk VIII
D1. Plonk IX
D2. Plonk X
