映画『アザー・ミュージック』とアングラ中華飯店

大阪九条のシネ・ヌーヴォxで公開中の『アザー・ミュージック』。トレイラー観ていただければ説明不要、マンハッタンの伝説のレコード屋のドキュメンタリー。シネ・ヌーヴォx初めて行ったんですがそこそこ金持ちの家の映画部屋、って感じのDIY感が映画のテーマと非常にマッチしていてとても心地よかった。

変な編集、過剰なエピソードの盛りは無く、「純ドキュメンタリー」として素直に楽しんだし、同業者としては、、、判っていたけど「閉店直前、直後」のエピソードは全泣きしてしまった。

 

レコードに限らず、制作物にはどの作品にもそれぞれ必ず「過程」という名の「物語」があって、アザー・ミュージックに巣くう奇人とも呼べる音楽オタクのバイヤーのフィルターを通してた上で、それら数え切れない「物語」が1か所に集まっている。ってそれだけでワクワクするのは言うまでも無い事だし、アーティストも、バイヤーも、お客さんも、そういった物語を求めてその「場所」に集まる、という行為の尊さはインターネット上では絶対味わえない。

だからこそ、アザー・ミュージックの店舗からCD、レコード、陳列棚が店から消え、その場に詰まっていた筈の物語、希望が失われた店を見届ける創業者に去来したであろう無数の思いは到底察せるレベルでは無い。

アザー・ミュージックがここまで愛されたのは、勿論色々な理由があるけど、関わった人間が、

日々世界で生まれるありとあらゆる音楽に対して、リスクを侵しても尚最後まで好奇心を捨てなかった」

という事に尽きたのではないかと思う。これには本当に襟を正される。

自分にとって、音楽もレコードもこのお店も、そこに集まってくれるお客さんに対しても、好奇心はまだまだ尽きないし、もっといい店にしたいという向上心は開店以来変わって無い。だけど、状況は日々めまぐるしく変化するし、形有る以上愛と情熱だけでは何ともならないのが諸行無常、世の常。だったら好きなうちに辞められる事は実は幸せな事なのかもしれないな、とエンドクレジットを眺めながら思った。是非レコードラバーの皆さん観に行ってください。

 

ついでに九条でずっと行きたかった町中華に。 

とてつもない圧を放つこのインディーな佇まい。

 

チャーハン。具は豚肉、エビ、イカ、紅ショウガ。

40代には量が多いな、、
半分くらい食べてふと、チャーハンってゆうか炊き込みご飯を食べている錯覚に陥る。2度おいしくて500円

 

餃子は並べるモノでは無い、散らかすものなのである。
店主から私に何かしら託したいメッセージが込められているとしか思えない前衛的な盛り付け。450円

 

大阪九条は知る人ぞ知る迷店の宝庫なので来阪の際は是非立ち寄ってみてみてはいかがでしょう。


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