Mark Reederと新譜レコードとRSDの話

先日はMark Reederを迎えての『The ?』にお越しいただき有難うございました。60人越えの大盛況に加え、数多戦地をくぐり抜けてきたMarkのDJは想像を絶する素晴らしさでした。来てくれた皆さんには十二分に伝わっていると思いますが。



Mark Reederと色々な話をさせていただいたけど、昔の話をすると、少しだけ眉間にシワをよせて、「もう昔の話だからね、今の音楽の話をしよう」といって彼の新しいコンピレーションレコードをプレゼントしてくれた。その中でもこの曲大のお気に入り。



後日、DJイベントとRSDとが重なった疲労でかなり体調を崩してしまった最中、大阪のnaminonahaレコードの店主インベさんが訪ねてくださって、レコード屋あるある話をさせていただいた。

二人とも飲酒をしていたので(そりゃそうだ)、文字起こしする程の内容をここで書く事はできませんが、はっきり覚えているのは、

「中古レコードも中古レコード屋も未だ大好きだけど、出会い、価値観、コミュニティ、思想発想が世情に応じて毎分毎秒生まれ変わる新譜レコードの方が自分も音楽も世界も生きてる実感が沸くし、それが楽しくてただそれだけでやっているし続けられている。」

2人で泣きながらパンツを交換しました。

例えば、その思いや行為が意図せず"カルチャー"と呼ばれる巨大なものの一部になるなら恐縮かつ大変嬉しい事だし、そもそも"カルチャー"って「精神を耕す」という語源の通り、個の内面からおのずと立ち上る熱量が形を成し、やがて共感を生むものだと思ってます(アートも然り)。世に常用される"カルチャー"というものはその実巨大で、故に曖昧で、それを掲げたり、議論されるものは"カルチャー論”であって、本当の"カルチャー"とは似て非なるものでは無いかと自分は思ってます。もっといえば"カルチャー"という言葉自体にそもそも懐疑的で、このひねた性格は親ゆずり。どうしようもできません。

さて、元々インディペンデントなレコード店を救うための企画であったRecord Store Dayがとっくに資本に枷をかされ、価格は年々高騰、プレスされるタイトルも、、、少なくともインディペンデントなショップにとって、新しく生まれる命に刺激をもらっている身にとっては極めて退屈になってしまった。RSDとカルチャーとの乖離は益々進行しているが、別にRSDがカルチャーを扇動しようとしてるとも思わないし、、、まあ上手く立ち回れたら(=楽しめたら)いいなと思ってます。

そんなこんなで体調も復調し始めてきたので新譜のアップに戻ります。


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