MEN I TRUST / EQUUS ASINUS

Men I Trustほど風変りなバンドは珍しい。実にアイコニックなボーカルEmmanuelle Proulxの魅力も手伝ってすでに世界的に多くのファンを獲得しており、楽曲、ライブ共に高い評価を得ているにも関わらず、相変わらずセルフレーベルからのリリースだし（常連のRetuen To Analogですらカナダの超インディーレーベル）、アートワークを並べてみてもなんだかシュールなものばかりである。また、今作のタイトルはラテン語で『ロバ』を意味するものらしく、この姉妹作として完成したEquus Caballusは『馬』であり、非常に意味深な姉妹作であることも興味深い。つまるところ、彼らは巨大なミュージック・インダストリー、アルゴリズムに支配されることを拒み、独自のロジックで上質なアートを完成させ、リスナーに表現の自由について再提起することすら画策しているのではと思わされる。←ということを加味して聴いてみるとMen I Trustの現在地への解像度が深まるのではないでしょうか。Clairo 『Charm』にハマった方にぜひ。

Tracklist:
A1. I Come With Mud
A2. All My Candles
A3. Bethlehem
A4. Frost Bite
A5. Heavenly Flow
A6. The Landkeeper
A7. Purple Box
B1. Paul’s Theme
B2. Girl
B3. Burrow
B4. Unlike Anything
B5. I Don’t Like Music
B6. Moon 2
B7. What Matters Most