前作『Tranquility Base Hotel & Casino』でバンドとして大きな変化を伴った様に思えたが、延長線上にある今作を聴いて実はアレックス・ターナーという人は、レノン、ボウイ、ゲンズブール、モリコーネといった偉人からの影響から成る、一貫した世界を持ち続けている事は別部隊The Last Shadow Puppetsの時点で明らかだった。その世界感がArctic Monkeysという本部隊のフィルターを通す事で、「完成」の陽の目をみたといっても過言では無いのであろうか、「ウェルメイド」などという言葉では言い尽くせないそこはかとないこの虚無感。それは『3×3×3』で強烈なサイケガレージロックを叩きつけたゆらゆら帝国が、ラストアルバム『空洞です』に至る流れに似てはいないだろうか。これは私の最高の誉め言葉です。
Tracklist: A1. There'd Better Be A Mirrorball A2. I Ain't Quite Where I Think I Am A3. Sculptures Of Anything Goes A4. Jet Skis On The Moat A5. Body Paint B1. The Car B2. Big Ideas B3. Hello You B4. Mr Schwartz B5. Perfect Sense