2016年のEP『Habit』、そして前作にあたるデビュー作『Lush』共に高評価を得て迎え入れられたLindsey JordanことSnail Mail待望の2ndアルバム。同性愛者である自身の悲哀を描くと同時に、映画『キャリー』さながらに血に濡れてみせたリード"Valentine"を聴いた瞬間からこのアルバムが「まごうことなき傑作」でる事は約束されたも同然であった。誰もが思うであろう、これまでより飛躍的に変化したLindsey Jordanのボーカルのパワーと表現力は複雑な彼女の内面の輪郭を鮮やかに描き出し、共同プロデューサーのBrad Cook (Indigo De Souza、Waxahatchee) が決してアルバムを退屈なモノにさせまいと終始知恵を絞り、手を動かし色付けしている事はインストを注意深く聴けば判るであろう。総じて「引きの美学を用いた未開のエモーションの覚醒」を達成した本作に敵う2021年アルバムが果たしてどれだけあるというのだろうか感動を禁じ得ない10トラック。Tracklist:A1. ValentineA2. Ben FranklinA3. HeadlockA4. Light BlueA5. Forever (Sailing)B1. MadonnaB2. c. et. al.B3. GloryB4. AutomateB5. Mia