コミカルで奇妙でシニカルでムカつくほどポップ。初聴から抱いた感情は連投されたシングルによって雪だるま式に肥大、だがその期待値を十分に越えてきたワイト島出身Rhian TeasdaleとHester Chambersのデュオ=Wet Legのデビュー・アルバム。端的に言ってしまえばミレニアムの始まりに誕生したThe Strokes 『Is This It』、程では無いにしろ、オーソドックスでシンプルでなロックの美学と底に眠るパンクの激情が極めてクール(←ここが大事)に放たれる。リード"Chaise Longue"、"Ur Mum"、"Too Late Now"、"Wet Dream"の一度聴いたら耳から剥がれないフックはもう一度言うがムカつく程だし、David Bowie"The Man Who Sold The World"をパクった"I Don't Wanna Go Out"はあまりに無邪気過ぎる。だがWet Legの無邪気さは、そのストレートさが故に、年老い擦れて目減りしてしまった根源的な「喜」と「楽」の感情をいとも簡単に呼び覚ましてはくれまいか。アルバムを悩んでいる方はWet Legの魅力が爆発したJames Codenの『The Late Late Show』を観てみて下さいの限定盤。DLコード付き。
Tracklist:
A1. Being In Love
A2. Chaise Longue
A3. Angelica
A4. I Don't Wanna Go Out
A5. Wet Dream
A6. Convincing
B1. Loving You
B2. Ur Mum
B3. Oh No
B4. Piece Of Shit
B5. Supermarket
B6. Too Late Now