なんと『HOPELESSNESS』以来7年ぶりとなるANOHNI and the Johnsonsの6thアルバム(名義がコロコロ変わるのでややこしいがこの名義では6枚目という位置づけらしい)。これまでHudson MohawkeやOneohtrix Point Neverといったレフトフィールドの鬼才達とのコラボレートを繰り広げ、黙示録、ディストピア、独自の死生観を描いててきたが、今作なんとJames Blunt、Amy Winehouse、Duffyなどといった所謂メインストリームの大御所Jimmy Hogarthをプロデュ―スに招く予想外の人選。だがこれが過去最高に愛おしい作品になっており、かつてBoy Georgeが「お前はノラ・ジョーンズよりもビッグになれる」といった言葉をようやくストレートに実践し始めたのかもしれない。Marvin Gaye『What's Going On』を今作のインスパイア元にあげるほど、サウンドはクラシックソウルに傾倒しているが、偶然では無かろうGabrielsの台頭に呼応する様に現時代の音として鳴らされている。私的ハイライトは"Can't"だが(2023のベストトラック候補)、あまりに全曲おためごかしでない名作過ぎて今だって胸が張り裂けそう。限定ホワイトカラー。
Tracklist:
A1. It Must Change
A2. Go Ahead
A3. Sliver of Ice
A4. Can't
A5. Scapegoat
B1. It's My Fault
B2. Rest
B3. There Wasn't Enough
B4. Why Am I Alive Now?
B5. You Be Free