"BTSTU"とそれに続く"Jasmine"が2010年代のアンダーグラウンドだけでなく、今日まで続くメインストリームのポップミュージックにも影響を与えた(Dijonもその影響を強く公言)神童Jai Paulとその兄であるA. K. Paulの始動したレーベル〈Paul Institute〉からアルバムがリリースされるのは初。John Mayer、D'Angelo、Nine Inch Nails、The Whoなどの作品にも参加するベーシスト/プロデューサー・Pino PAlladinoの娘でありレーベルの巫女Fabiana Palladinoのデビュー・アルバム。当初もっと変なアルバムになるかと思ってたけど、何じゃこりゃ80年代のポップス (Janet Jackson) 、90年代のR&B (Sade) をモダンアップデートしためちゃくちゃメロウなポップアルバムではないか。そしてここまで普遍的かつ強く響くのは、楽曲、パートに不確かさ、優柔不断さを感じさせるものが何もなく、彼女のイメージが寸分狂わず完璧に「音楽」として形を成しているからであろう。2024年最高のデビュー・アルバムと呼ぶには時期尚早かもしれないが、間違いなくレースにエントリーされるであろう限定レッドヴァイナル。
Tracklist:
A1. Closer
A2. Can You Look in the Mirror?
A3. I Can't Dream Anymore
A4. Give Me a Sign
A5. Fabiana Palladino & Jai Paul - I Care
B1. Stay With Me Through the Night
B2. Shoulda
B3. Deeper
B4. In the Fire
B5. Forever