2022年の合言葉は「ヘル・ファイアー」に決定。『ストレンジャー・シングス 4』における最大の功労者=エディ・マンソン率いるHellfire Clubの登場と時同じくして放たれた異教徒楽団・black midiの3rdアルバム、その名も『Hellfire』。デビューから驚くべきスピードで完成した今作は技術的な熟練もさる事ながら、拡張されたオーケストレーション、そして「七つの大罪」をテーマとした英国らしい辛辣なユーモアが炸裂した大興奮作。Suicide時代のAlan Vegaはかつて「俺も、お前もそう、皆地獄の真っただ中だ (Frankie Teardrop) 」と奇声を発し息絶えたが、black midiは現代の混沌と腐敗と絶望を「地獄」に据えながらも、怒りと闘志の業火で自らを焼き拳を固く握り続ける。2ndあたりからblack midiはより神話的(ファンタジック)な世界観を打ち出してきたが、Geordie Greepのとめどなく発せられる説法と、物語を推進するバンドの核Morgan Simpsonのドラムとの相性は抜群としか言いようが無い。とにもかくにもこのバンドまだまだまったく底が見えない帯付限定盤。
Tracklist:
A1. Hellfire
A2. Sugar/Tzu
A3. Eat Men Eat
A4. Welcome To Hell
A5. Still
B1. The Race Is About To Begin
B2. Dangerous Liaisons
B3. The Defence
B4. 27 Questions