LushのMiki Berenyiが推薦コメントを寄せ、SpiritualizedのJason Pierceまでもが絶賛。ダブリン発のSSW=Keeleyによるデビュー・アルバム。特筆すべき今作の特異点は、このアルバムの出発点が1988年に北アイルランドで起きたドイツ人バックパッカー、インガ=マリア・ハウザー殺害事件(詳しくはググってください)に深く根付き、アルバム自体も「旅と喪失」をテーマにしている点であろう。聴こえは心地よいドリームポップ(90sのRide、The Stone Roses)と言えなくはないが、前述したMikiやJasonに加え、The Boo RadleysのTim Brownまでもがこのアルバムに惚れ込むのは、美しいソングライティングの中にそこはかとない喪失感が自然に盛り込まれているからであろう。多くの人にこの事件の悲惨を伝えなければならない思いと、そのためにどんなサウンドを奏でればよいかという非常に繊細なバランスのうえに成り立っている、ちょっとどころかかなり異色の作品(カポーティの『冷血』みたいな話だ、、)。ラストSpiritualizedのカバー"Shine a Light"で思わず深く考え込んでしまった。
Tracklist:
A1. Seeing Everything
A2. Arive Alive
A3. The Glitter and the Blue
A4. Floating Above Everything Else
A5. To a London Sunrise
A6. Echo Everywhere
B1. Forevere's Where You Are
B2. Never Here Always There
B3. You Never Made It That Far
B4. Totally Entranced
B5. Shine a Light