21世紀最大のポップアイコンCharli XCXの5thアルバム。人づてに聞きましたが今作はデヴィッド・クローネンバーグ監督の問題作『クラッシュ』がインスピレーションになっているそうで(ってタイトルもスリーヴも直球ですが)。思えばSOPHIEや100 gecsと積極的に絡んできたCharliは常に刺激と実験を求める人であり、いつだってスターダムから意図的に脱却しようと試みてきた「アンチ・ポップ・スター」である。にも拘わらず、今作が誰の耳にも「ベストアルバムか!?」と思う程聴き馴染み良いポップアルバムであるのはCharli XCXのまごう事無きタレント力を再度「知らしめた」、と同時に、扇情的で悪辣なMVやスリーヴを眺めていると、本作を最後に離脱する〈Atlantic〉、及び彼女を消費しようとするメディア、巨大資本への痛烈なカウンターの意が込められているのではないだろうかと思える。そうだとすればCharliのマーケティングは今作で完璧に遂行されているし、Charli XCXを一旦リセットしたこの先の動向いかんではとてつもなくイビツで高尚な作品を創り上げてくるのではないかと思うと楽しみで仕方ない。リプレス盤。Tracklist:A1. CrashA2. New Shapes feat. Caroline Polachek & Christine and the QueensA3. Good OnesA4. Constant RepeatA5. Beg For You feat. Rina SawayamaA6. Move MeB1. BabyB2. LightningB3. Every RuleB4. YuckB5. Used To Know MeB6. Twice