『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を観終わった直後の率直な感想は、「これはハイパーポップがグラミー賞を総ナメする様なものなのかもしれない。」であった。事実上記映画は荒唐無稽にハイパーでポップな作品でありながら、「それでも戦う価値のあるこの世界」、を超肯定的に描いた人類賛歌劇であり、それが正しい角度から評価された事は人類、文化の前進でしかない。さて100gecsである。彼らがもはやジャンル的な意味で言う「ハイパーポップ」に属するのかという議論はさておき、今作は人の思考を停止させる、頭からケツまでぶっ飛ばしっぱなしのジェットコースター・ポップアルバムである。ニューメタル、ミクスチャ―、ポップパンク、スカなど、恐らくは彼等が通過してきた90年代の産廃をぐちゃぐちゃと咀嚼しながら、元来備わったポップメイカーのフィルターを通して全く新しいポップソングを、エッジ(とばかばかしさ)を損なう事無く次々と完成させてしまった。彼らがふざければふざける程世の中のマジョリティは激昂するかもしれないが、マイノリティはきっと「それでも戦う価値のあるこの世界」を見出すに違いない。このアルバムならグラミーを獲れると思う。要らんだろうけど。限定カラーヴァイナル。
Tracklist:
1. Dumbest Girl Alive
2. 757
3. Hollywood Baby
4. Frog On The Floor
5. Doritos & Fritos
6. Billy Knows Jamie
7. One Million Dollars
8. The Most Wanted Person In The United States
9. I Got My Tooth Removed
10. mememe