2010年代中期から各地にて勃発したポストパンクバンド勢(とは言ってもアンダーグランドには常にそれらは息まいているのだが)の中でも抜きんでたアルバムの完成度、カリスマ性によって2019年を象徴するアルバムとなった『Dogrel』に続く2ndアルバム。「衝動が生むカオス」が『Dogrel』ならば、今作は「焦燥が生む不条理」。瞬く間にスターダムにのし上がった彼等の超現実的な現在のポジションになんとか折り合いをつけるべく放つ台詞「We're all in the running for a hero's death=俺たちは皆英雄の死に向かっている」がそれを物語る。前作には無かったメロディアスなバラード群には「2番煎じ」を払拭せんとす意気すら感じられ、例えたくは無いがOasisが途中半ばに手放した宙ぶらりんの栄光をつかみ取らんともがいている様に見える。誰よりも今作を待った私、私よりも今作を待った貴方を絶対に裏切らない、虚構では無く真実のアルバム。
Tracklist: A1. I Don't Belong A2. Love Is The Main Thing A3. Televised Mind A4. A Lucid Dream A5. You Said A6. Oh Such A Spring B1. A Hero's Death B2. Living In America B3. I Was Not Born B4. Sunny B5. No