2017年リリースの傑作にして未だ折に触れて聴き返すアルバム『Not Even Happiness』以来、表立った活動が控えられていたのには理由があった。2018年にこのアルバムの作曲を始め、2020年後半にレコーディングを開始したものの、音楽的コラボレーターであり恋愛パートナーでもあったEric Littmannが2021年に急死してしまったそうなのだ。レコーディングは一時中断されたが、レーベルに紹介されたAlex Somersの援助を得て今作の完成に至ったそうである。そのような背景が故、紛れもなく喪失と悲しみに根ざしているが作品である、が故に、逆説的に「生きること」、「生命の尊さ」を肯定している様にも聴こえるのは必然。元々完成されていたアコースティックサウンドと彼女の奇跡のボーカルに加え、コーラス、ピアノ、ストリングス、シンセ、ポストプロダクションが完璧なバランスと緊張感を保持しながらアルバムは淀みなく進む完成度、そして前作から今作までに費やされた時間を鑑みると、彼女にとってこのアルバムがいかに大切な存在であったかおのずとみえてくる。限定ブルーヴァイナルにて入荷。
Tracklist:
A1. The Greater Wings
A2. Portrait of a Clear Day
A3. Moonless
A4. Summer Glass
A5. Summer's End
B1. Lightning Comes Up From the Ground
B2. Flare
B3. Conversation Is a Flowstate
B4. Hope's Return
B5. Death Is the Diamond